デイケアに通う統合失調症当事者の受療行動の在り方
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概要
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本研究の目的は,デイケアに通う統合失調症当事者がどのような考えや思いに基づいて受療行動を続けているのかを明らかにし,妄想や認知機能障害を持つ対象の受療行動を支える援助について示唆を得ることである.精神科病院併設の大規模デイケアで参加観察および半構造的面接調査を行い,データを質的に分析したところ,『医療関係者や薬の力を借りて症状が出ないように生活する』『デイケアに通うことで健康的な生活を送る』『病気とも人とも上手くつき合いながら生きる』という3つの受療行動のテーマが抽出された.彼らは,服薬の継続,自分の状態の説明,デイケアへの通所や人間関係の維持に関して困難を感じており,それらに対する援助を受けることで受療の継続が可能になっていた.また,妄想の世界に陥らないためには,生活への満足,競争的な価値観から道徳的価値観への転換,疎外感や自尊心の傷つきを回避できる温かな人間関係が重要であることが示唆された.
- 2013-11-30
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