語り継がれるもの その2 : パプアニューギニア・フォイの口頭伝承について
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概要
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パプアニューギニアに暮らすフォイには、数多くの伝承が存在する。無文字社会のフォイでは、寓話、神話、歴史的出来事などは、口頭を通して伝承されてきた。そうした伝承の中から、本論では鳥と関連する話を取り上げる。物語の中で表象されているのは、人びとの日常生活であると同時に、超自然的存在や世界である。フォイにおいて、日常生活と超自然的世界は断絶したものではなく、連続的なものである。物語の中で、主人公は現実世界と非現実世界とを自由に往来する。霊的存在は、動物にも人間にも化身することができる。不可視の霊的存在が具象化され、身近な理解可能なものとして立ち現れる。こうした物語を、語ること、あるいは聞くことを通して、フォイの世界観や価値観は再構築され続け、伝承されているものと考えられる。
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