雑種成犬における腕神経叢ブロックが上肢血流量に及ぼす影響について
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概要
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雑種成犬の腕神経叢ブロック(BPB)モデルを作製し,ブロック後の上肢血流量の変化について調べた.【方法】雑種雄性成犬を対象とし,全身麻酔下にBPB モデルを作製し,生理食塩水1 mL(生理食塩水群:8 例)と1%メピバカイン1 mL(局所麻酔薬群:8 例)投与後の正中動脈血流量(MABF)の変化を記録,比較検討した.BPB は,超音波下に21 ゲージ針を腕神経叢内に進め,電気刺激装置にて刺激を確認しながら薬液を注入し,測定終了時に頚部を開創してインジゴカルミン含有の薬液の神経叢内に限局した広がり確認した.BPB による上肢血流量の変化は超音波血流計を用いてMABF を測定することにより評価した.【結果】局所麻酔薬群では,薬液注入30 分後よりブロック側のMABF が有意に増加し,その増加は60 分後に最大値(136.7±35.3%)に達し,有意な血流増加は140 分後まで持続した.局所麻酔薬群のブロック反対側のMABF の変動は認められなかった.一方,生理食塩水群では,薬液注入後のMABF の変動は,ブロック側,反対側ともに認められなかった.【結語】雑種成犬のBPB を作製し,交感神経遮断によると考えられる上肢の動脈血流増加作用を確認した.
- 2014-03-25
著者
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