人格の同一性の規準を求める必要性について
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概要
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人格の同一性の規準について、ロックの意識説を基にしてその妥当性を論じる。ロックは、人格とは思考する知性ある存在であり、理性と省察をそなえたものであるとする。そしてこのような主体が、意識によって自己の経験を把握するかぎりにおいて、時間を通じた人格の同一性がなされると主張した。自己の意識によって心理的なものを把握することが人格の同一性の規準を保証するとすれば、この意識とは「わたし」を主語とする一人称的なものであると考えられる。しかしまたロックは、法による賞罰を受けるに値する存在としても人格とその同一性を論じている。この点にかんしては第三者が観察した結果が影響するため、一人称と対比する意味で三人称的な言説であるといえるだろう。本論では、これら一人称と三人称の言説の両方が人格の同一性の規準には必要であることを、心の哲学における議論を参照しながら分析する。また、人格の同一性の規準を研究する必要性について、その社会的な意味と意義という観点から論じる。
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