タッチパネルボタンの階層構造が連続ボタン押しの効率に与える影響
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概要
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我々は高度な情報機器を日常的に利用するが,その操作の多くは,タッチパネルディスプレイ上に表示された情報を見て,そこに描かれたボタンから適切なものを選択しタッチするという単純な動作の繰返しである.このような操作を誤りなく素早く実行できるかどうかに関わる認知的要因を探求するため,20回のボタン押しからなる手続き系列を学習する連続ボタン押し課題を用いて心理実験を行い,1画面上で押すべきボタン数が,連続ボタン押しの素早さや正確さに与える影響を調べた.4 × 4個のボタン配列中の2 個のボタンが点灯したら,これを正しい順序で押すという手続きを繰り返し,最終的に系列を学習する[2 × 10]課題と,ボタンが4 個ずつ点灯する[4 × 5]課題の間で,20回のボタン押しに要する時間や,学習したボタン押し順序をボタンが点灯しなくても再学習できるかどうかを比較した.その結果,[4 × 5]課題の方が再学習が困難であり,また,原学習においては[4 × 5]課題の方がボタン押し遂行時間が短いが,再学習においては課題間で差がなかった.結果から,1画面で押すべきボタン数が多い方が遂行時間が短い傾向にあるが,視覚的手がかりを除去したときに遂行がやや困難になることが示された.個々のボタン押し反応時間の分析から,原学習における視覚的手がかりの与え方がボタン押し系列の記憶構造に作用し,それが遂行時間や再学習に影響することが示唆された.
- 2014-03-15
著者
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