有限線形弾性体における非線形波動
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概要
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地震波動理論において、地盤の線形構成(応力と歪の関係)と微小変形を仮定した場合の研究は非常に進んでおり、実際にも応用されている。一方、非線形理論に関する研究とそれに基づく精密な解析手法は、まだ確立されているとは言い難く、今後の課題として挙げられる。本論文では、筆者らが先に導出した連続体の非線形構成方程式の特殊な場合、つまり有限線形弾性理論に基づき、非線形弾性体を伝播する波の挙動を把握するために、通常の微小変形線形理論で無視されていた有限変形による非線形部分を考慮して、非線形波動方程式を二つの方法で導出した。興味深いことに、その導出された波動方程式は格子力学上の変形されたK-dV方程式と一致することがわかった。換言すれば、原子力学の分野で発展してきた非線形力学を地震工学へ応用する一例を示したわけである。また、その波動方程式の理論解を導出し、いくつかの解析例を示した。
- 一般社団法人日本建築学会の論文
- 1990-03-15
著者
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