非線形構造物モデルのランダム応答解析における修正等価線形化手法

概要

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非線形振動システムのランダム応答解析はここ10年の間幅広く研究されてきた。この解析手法のうち、等価線形化手法は実用上最も有効な手法である。本論文においては、現在の等価線形化手法における限界を理論的に解明し、修正等価線形化手法を提案した。この手法は、本質的にUtkuの等価線形化手法を非線形項の3階偏微分をも考慮することによって拡張したものであり、3階までの偏微分と期待値を非線形項に直接適用し、等価線形システムの係数を厳密に表現した。他方、この修正等価線形化手法は、弾性領域かち塑性領域への応答の推移が滑らかでないいわゆるunsmoothed履歴システムには直接適用し得ないので、スムージング法を導入し、修正等価線形化手法の適用を容易にして、bilinear modelなどに応用した。さらに、スムージング法の応用拡張として応答の最大値を求めることも試みた。また、この手法はいくつかの振動システムつまりハードニング・ソフトニング振動系やunsmoothed履歴モデルに適用でき、この手法の精度と適合性は、数値解析により検証され、妥当性のあることが示された。
一般社団法人日本建築学会の論文
1988-03-07