日本語の文章理解における挿入質問の効果に関する実験的研究
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概要
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読みのプロセスを考慮し、学習者のテキスト理解を援助する教授方略として挿入質問の提示による指導法がある。挿入質問とは、テキスト教材の前後や途中に提示される質問を指す。英語を中心とした先行研究の結果、挿入質問は読解を促進する効果を持つと言われている。そこで本研究では、中級レベルの日本語学習者を対象に読解の際の挿入質問の効果を明らかにする目的で実験を行った。本実験では、挿入質問の有無による文章理解の相違、質問の位置と質問の数を要因として取り上げ、その効果を比較、検討した。その結果、挿入質問群は無質問群より学習者の事後テストの点数が有意に高く、挿入質問は外国語としての日本語の読みにおいても、理解を促進する効果を持ち得ることが明らかになった。しかし処遇による交互作用は認められなかった。
- 日本教育メディア学会の論文
- 1995-03-31