医療過疎地域の医療職が捉える母子保健医療の現状と健康課題
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概要
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医療過疎地域である三重県紀南地域において,活動する医師と保健師が捉えた母子保健の現状を把握する目的で,医師1名と保健師6名の医療職グループにフォーカスグループインタビューを2回実施し,母子の生活環境や保健医療の現状をそれぞれに発言してもらいデータとして収集した。得られたデータから逐語録を作成し,内容分析法を用いてカテゴリー化した。その結果,【医療職が捉える母親の思いと行動】【地域の育児環境の現状】【地域特性の影響を受けていること】【物理的環境の影響を受けていること】【社会資源の不足により影響を受けること】【母子保健活動の経験からの捉え】に分類できた。医療職は,限られた医療資源を母子が継続して活用するには,信頼できる医療職が不可欠であること,紀南地域の家庭の育児環境は多様で,祖父母との同居に依存する形で生活が成立し,経済的側面と大きく関連していると捉えていた。健康に何らかの障害のある子どもの家庭では,通園や治療のために県央部までの受診が必要となり,医療費以外の負担が大きいことや家族総出の転居ケースのある現状のあることが把握できた。
- 2014-01-31
著者
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