望まない妊娠の予防対策に関する研究 : A県における人工妊娠中絶経験者の面接調査から
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概要
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本研究は,望まない妊娠の予防対策を検討するために人工妊娠中絶術経験者の妊娠・避妊に関する知識や人工妊娠中絶に至った経緯を明らかにすることを目的とした。対象者は19〜35歳の女性35名であった。対象者の特徴として既婚者が多く,また反復中絶者が多かった。「いつも避妊する」と答えた人は5名であったが,方法はコンドームと膣外射精であった。人工妊娠中絶に至った理由は,「経済的な問題」が一番多くあげられ,つぎに「育てる自信がなかった」「望んだ妊娠ではなかった」であった。人工妊娠中絶を受けた人が手術後に考えたことは身体の回復や今後の妊娠ができるかであった。そして精神面では不安症状の悪化や罪悪感があげられた。望まない妊娠を防ぐためには,思春期・青年期前期に正しい性知識や,コミュニケーション能力ならびに対人関係能力を獲得するように提供することの重要性が示された。また,反復中絶を予防するには,人工妊娠中絶後に,確実で,かつ実行できる避妊法の提供とともに,性の自己決定能力を育むことと自分自身の家族計画設計ができるような支援が必要である。
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