プロソディ産生と前頭-基幹脳活動との関係(バイオサイバネティックス,ニューロコンピューティング,<特集>ヒューマンコミュニケーション〜価値ある生活環境構築のための情報技術〜論文)
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概要
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言語学的情報のみならず感情を伝える機能を併せもつプロソディは円滑なコミュニケーションを支えるが,ひとたび障害されるとQOLが著しく低下する.従来,このプロソディに関する多くの研究報告があるものの,いまだその発生機序は十分に解明されていない.我々は,感情と運動に共通するモノアミン神経系に支えられた深部脳(基幹脳)機能がプロソディの産生に中心的役割を果たしているという仮説を立てている.本研究はこの仮説を検証することを目的とし,健常被験者を対象にした動詞生成課題実験を行った.その結果,基幹脳の活動度とプロソディエラーの個人差が関連することを見出した.すなわち,基幹脳の活動度が低い被験者では小声,平坦などプロソディが減弱する傾向が認められ,一方,高い被験者では大声,早口,過剰な抑揚などの特徴が出現する傾向が認められた.更にこの二つのタイプのプロソディの変化は闘争/逃走及びフリーズという二つの対ストレス戦略に対応しているものと推察され,平均基幹脳活動度が個々人に特有のものであることがこの推察を支持した.
- 2014-01-01
著者
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川又 敏男
兵庫県立高齢者脳機能研究センター
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関 啓子
神戸大学大学院保健学研究科
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関 啓子
神戸大学大学院 保健学研究科
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川又 敏男
神戸大学大学院保健学研究科
-
片桐 祥雅
独立行政法人情報通信研究機構脳情報通信融合研究センター
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今井 絵美子
神戸大学大学院保健学研究科
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片桐 祥雅
独立行政法人 情報通信研究機構
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