千葉県北東部の谷津田における水生ホタル類の生息環境要素の抽出
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概要
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千葉県北東部の谷津田の水辺域17地点において、2010年6月〜9月にかけて、水生ホタル類(ゲンジボタルとヘイケボタル)の生息の有無と生息環境要因の調査を行った。調査を行った16の環境要因のうち、カワニナ個体数と水路壁の勾配の2変数でホタル生息地-非生息地間で有意差が見られた。重回帰分析の結果から、堆積物の深さと溶存酸素の2変数がカワニナ個体数に正の影響を及ぼす説明変数として選択された。主成分分析で選定された13項目の変数候補を基にしたロジスティック回帰分析から、水生ホタル類の生息の有無を分ける環境要因として、溶存酸素と水路壁の勾配の2変数が抽出された。水生ホタル類の幼虫期の生息環境を整備する上で、溶存酸素の供給が期待できる低い堰板の挿入や、終齢幼虫の上陸と潜土を可能にする緩勾配の土壁護岸への改善が有効と考えられた。
- 2013-05-30
著者
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