期限前償還リスクの期間構造と金利依存性を考慮したRMBSの価格付け
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概要
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RMBS(Residential Mortgage-Backed Securities,住宅ローン債権担保証券)は米国のサブプライムローン問題に端を発した世界金融危機以降も金融機関の長期投資の一端を担う重要な金融商品である.RMBSは通常の債券に比べて満期が長く,しかも利払が頻繁であることから,取引時やリスク管理,特に多様な環境下で価格計算を繰り返す必要があるリスク管理の分野において計算時間の短縮化が望まれている.本稿では,プリペイメント率が借入時点からの経過時間に関して期間構造を持ち,かつ将来の金利環境に依存することを考慮したときのRMBSの半解析的な価格式を導出する.確率金利モデルとしては,将来の金利が負にならず,しかも現在時点の金利期間構造を再現できるCIR++モデルとQuadratic Gaussian++モデルを採用する.また,プリペイメント率の金利感応度の経過時間依存性も考慮する.価格式導出の技術的なポイントはフォワード中立化法とFeynman-Kacの定理の利用である.得られた価格式はプリペイメント率の金利感応度に応じて3通りに分かれるが,どれも計算は容易でそのまま実務に適用可能である.
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