精神疾患の中間表現型としての未成熟歯状回(2012年度 第2回フォーラム基礎心理学のための基礎研究-網膜,遺伝子,インタフェース-)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Maturation and integration of neurons and grial cells in the hippocampus is considered to be essential for regulating endocrine, affective, and congnitive functions, and the disruption of such process may cause mental illness. Previously, we have reported that mice heterozygous for a null mutation in α-CaMKII, which has a key role in a synaptic plasticity, show abnormal behaviors related to psychiatric disorders, such as schizophrenia and bipolar disorder. In these mutant mice, almost all neurons in the dentate gyrus are at a pseudo-immature properties, whihc we referred to as "immature dentate gyrus (iDG)." To date, the iDG phenotype have been found in mustant strains including Schnurri-2 knockout, SNAP-25 mutant, and forebrain-specific calcineurin knockout mice which show similar behavioral phenotypes. In addition, both chronic fluoxetine treatment and pilocarpine-induced seizures can reverse the maturation state of the mature neurons, resulting in the iDG phenotype in wild-type mice. Such iDG-like phenomenon was observed in the brains from patients with schizophrenia/bipolar disorder. Based on the findings, we proposed that the iDG is a potential new endophenotype of neuropsychiatric disorders. This review summarizes the behavioral abnormalities, iDG phenotype, and the implications in the pathophysiology of neuropsychiatric disorders.
- 2013-09-30
著者
-
萩原 英雄
藤田保健衛生大・総医研
-
宮川 剛
東京大学大学院人文社会系研究科
-
高雄 啓三
藤田保健衛生大学総合医科学研究所システム医科学研究部門
-
宮川 剛
藤田保健衛生大学 総合医科学研究所 システム医科学研究部門
-
WALTON Noah
CNS, Astellas Research Institute of America LLC
-
高雄 啓三
藤田保健衛生大学総合医科学研究所システム医科学研究部門:科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業(CREST):生理学研究所行動・代謝分子解析センター行動様式解析室
-
昌子 浩孝
藤田保健衛生大学総合医科学研究所システム医科学研究部門
-
松本 光之
生理学研究所行動・代謝分子解析センター行動様式解析室
-
萩原 英雄
藤田保健衛生大学総合医科学研究所システム医科学研究部門:科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業(CREST)
-
昌子 浩孝
藤田保健衛生大学総合医科学研究所システム医科学研究部門:科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業(CREST)
関連論文
- 歯状回のニューロン成熟と精神疾患 (特集 海馬ニューロンの新生--精神疾患と神経機能への関与)
- ラットにおける聴源性痙攣発作の易発性に及ぼすNMDA受容体拮抗薬の効果
- 野生由来マウス系統を用いた行動解析と脳研究への利用
- ガドヘリン11変異マウスに見られる高次脳機能の異常
- チロシンキナーゼ欠失マウスの恐怖反応の亢進(日本動物心理学会第54回大会発表要旨)
- 統合失調症の動物モデル (統合失調症の科学的理解と応用--基礎と臨床)
- 3P308 src遺伝子産物のミリストイル基の部位特異的修飾法を用いた機能解析(バイオイメージング,ポスター発表,第45回日本生物物理学会年会)
- 遺伝子改変マウスの表現型解析を起点とした精神疾患の研究
- システム制御 遺伝子と行動・精神疾患 (神経の分化,回路形成,機能発現) -- (シナプスの可塑性と学習と行動のメカニズム)
- カルシニューリン関連遺伝子と統合失調症 (特集 統合失調症の分子精神医学)
- 精神疾患・発達障害のモデルマウス (特集 精神疾患と知的発達障害の分子遺伝学)
- 遺伝子操作動物と精神障害のモデル (特集1 精神疾患の動物モデル)
- 精神疾患モデルマウスはストレスに弱いか?
- 作業記憶・シナプス可塑性・統合失調症--遺伝子改変マウスを用いた研究 (特集 記憶・学習の分子基盤に迫る)
- 統合失調症のカルシニューリン仮説 (特集 タンパク質リン酸化調節異常と疾患)
- O-2-7 マウス・ラットの行動解析のための安価な画像処理システム(日本動物心理学会第56回大会発表要旨)
- 精神疾患の中間表現型としての未成熟歯状回
- カルシニューリンと統合失調症
- 科学技術研究における多様なメトリクスの重要性 一研究者の視点から
- 精神疾患の中間表現型としての未成熟歯状回(2012年度 第2回フォーラム基礎心理学のための基礎研究-網膜,遺伝子,インタフェース-)