知的障害者への自立生活行動の形成
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概要
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本報告では中程度域の知的障害者に対し,自立生活訓練として自立生活行動スキルの修得を言語による教示,ガイダンス法などのプロンプト,モデル提示,ビデオ分析による自己強化法等のパッケージ技法を用いて試みた。ターゲット行動はクライエントの対処能力をアセスメント(以下,査定と表記)した結果,戸締まり行動と料理行動とした。実験デザインは行動間の多層ベースラインデザインを用いた。訓練は行動の習慣化,形成化,確立化・自発性の三段階に分け,ポストチェック・般化テストを施行した。また,日常生活を想定した疑似場面設定のなかで,クライエントの行動評価を繰り返し行うことで漸次形成化を試みた。ベースライン期ではほとんど生起されなかった行動が,訓練導入後戸締まり行動は100%の生起率を示し,料理行動も目標基準を達成した。この効果は3〜9ヵ月後のポストチェックおよび般化テストにおいても継続されていた。
- 日本行動療法学会の論文
- 1996-09-30