不安反応表出に及ぼす不安状況の影響(原著)
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概要
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不安状況は,身体的危機状況と自我脅威状況の2つに分類されている。本研究は,こうした不安状況の違いが不安反応の表出に及ぼす影響について検討することを目的とした。被験者には男子大学生24名を用い,2条件にランダムに振り分けた。実験条件として,電撃を受けるES条件と,***ビデオの呈示を待つ間カメラにより観察されるPV条件を設定した。不安反応には,心拍数と打叩圧を用いた。心拍数と打叩圧の関係性は,相互相関分析を用いて検討した。反応水準の増加の程度はES条件の方が大きく,低域の反応変動性はPV条件の方で大きくなる傾向があった。反応間の関連性については,短周期の心拍変動と打叩圧の相関がES条件で高くなっていた。これらの結果は,不安状況によって不安反応の表出が異なることを示唆するものといえる。
- 日本行動療法学会の論文
- 1992-03-31