嫌悪状況下でみられる指標間synchrony : 生理指標と行動指標の対応
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概要
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本研究では生理指標と行動指標を用いて,Hodgson&Rachman(1974)の第一仮説を検証することを目的とした。嫌悪刺激には電撃を用い,不安の指標として,心拍と打叩を測定した。実験条件として嫌悪刺激の脅威度(high/low)とtemporal uncertainty (no-signal/countdown)を設定した。48人の被験者は条件を組み合わせた4つの実験群にランダムに振り分けた。電撃到来に至る予期期間での不安反応の対応関係を検討した結果,以下の点が明らかになった。第一・に,心拍と打叩圧の変動は,測度として比較的類似した特性を持つことがわかった。第二,脅威度の違いは,synchronyの程度の差としてではなく,対応位相のシフトという形でみられることがわかった。これまでみられた低脅威度状況でのdesynchronyは,反応間の位相ずれによって生じた見かけ上の現象であると考えられる。
- 日本行動療法学会の論文
- 1988-03-31