イメージによるHR自己制御に及ぼす教示の効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的はイメージをストラテジーとするHR自己制御課題において,制御成績を向上させる教示セットとして用いた,反応命題方向づけの効果を検討することであった。その際,特に(1)被験者の持つ制御への意図の有無との交互作用,(2)増加一減少両方向へのHR制御における効果,の2つに焦点をあてた。その結果,反応命題方向づけはHR制御に有効であり,被験者の意図と相乗的に作用すること,しかもそれ自体は呼吸などの身体的媒介に直接作用するものではないことが示された。この結果はこの手続きの教示セットとしての妥当性を支持するものである。しかしながら,反応命題方向づけよりもたらされる制御成績の向上は顕著なものではなく,制御方向別にその効果を確認することはできなかった。覚醒イメージと安静イメージでは反応命題方向づけの効果の及ぼし方に違いがあることが,内省報告の分析から示唆された。
- 日本行動療法学会の論文
- 1987-09-30
著者
関連論文
- イメージによるHR自己制御に及ぼす教示の効果
- 認知的対処の個人差が面接ストレス下の不安反応の出現様式に及ぼす影響 : 低不安者、抑圧者、感作者での比較(一般演題(3),口演発表)
- イメージ想起法の違いが、系統的脱感作による恐怖・不安反応の低減に及ぼす効果 : 反応命題による高覚醒イメージの検討(一般演題(8),口演発表)
- 拮抗動作法を用いた恐怖・不安反応の制御 : 主観的変化とアナグラム課題成績を指標として(ポスターセッション(B))
- 22 イメージによるHR自己制御に及ぼす教示の効果 : Lang仮説の応用(一般演題E)