在日韓国人の言語使用とアイデンティティー
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概要
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本研究では、在日韓国人を対象に、さまざまな場面や状況での韓国語使用量の実態調査をすると共に、韓国人アイデンティティー、日常生活での韓国語使用量と韓国語能力の自己評価の相互関係を調査する。また、韓国語使用の情意面についても考察する。調査の結果、二世・三世は同世代間で2%しか韓国語を使用していないが、一世との会話の場合には親しさを表現するためなどの理由で、韓国語を15%程度使用するということがわかった。一世同志では、54.4%の韓国語を使用するということも見出された。民族的アイデンティティーに関しては、世代が若くなるにつれ、韓国人アイデンティティーの希薄化が進むということが示された。また、個人の韓国語能力の自己評価と韓国人アイデンティティー、および韓国語使用率の相関分析をしたところ、世代に関係な<、韓国語能力を高く認知している人ほど、韓国人アイデンティティーが強いことが示された。最後に、本研究に基づき、継承語教育を含む民族教育の必要性を論じた。
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