アルブミン溶液を用いた単純血漿交換療法
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概要
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脱髄性の神経疾患に対する治療法として,当施設ではアルブミン(Alb)溶液を置換液に用いた血漿交換療法(Plasma Exchange:PE)を施行しているが,この方法では病因関連物質の除去と共に,フィブリノゲン(Fib)など凝固系因子の低下が問題となる.そこで今回,IgG除去効率やFibの動態などについてretrospectiveに検討し,各種の除去率等を検討した.その結果,IgG除去率は置換液量0.8PVで61.8%,0.9PVで64.9%,1.0PVで68.6%であった.また,IgG除去率と,Fib,抗凝固因子であるアンチトロンビンIII活性(ATIII)の除去率は正の相関を示したが,血小板(Plt)は相関がなかった.回復の程度はFibが3日目,ATIIIは2日目で治療前値までほぼ回復していた.Alb溶液を用いたPEでは,置換液量1.0PVで,IgGの除去率は70%程度可能である.しかし同時にFibやATIIIも同程度低下してしまう為,治療を頻回に行う場合はFibの測定が重要であり,さらに抗凝固剤の条件変更を考慮する必要がある.
- 2013-10-31
著者
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中村 紋子
東京医科歯科大学医学部附属病院MEセンター
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大久保 淳
東京医科歯科大学医学部附属MEセンター
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倉島 直樹
東京医科歯科大学医学部附属MEセンター
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宮本 聡子
東京医科歯科大学医学部附属MEセンター
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中村 紋子
東京医科歯科大学医学部附属MEセンター
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