菜箸の先端による咽頭外傷の1例
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概要
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症例は1歳の男児で、転倒後啼泣しているところを家族が発見した。鼻出血・口腔内出血を認め、先端部分が欠損した菜箸を手にしていたことから咽頭外傷を疑われ、救急搬入された.理学所見上軟口蓋に裂傷を認めたが、神経学的に異常はなかった。鼻咽腔ファイバースコープ検査にて上咽頭に刺入した異物と凝血塊を認め、頭頸部単純CTでアデノイドから深部にかけて直線状の低吸収の構造物を認めた。全身麻酔下に硬性経鼻内視鏡で上咽頭を観察しつつ、口腔内より鋭匙鉗子にて異物を抜去した。異物は長さ2.7cmの折損した菜箸の先端であった。 小児の異物による事故は病歴が明らかでないことが多く、訴えや所見もわかりづらい。異物残存が否定できない場合はCT,MRI等の画像検査が診断の一助となる.また、咽頭外傷は中枢神経や内頚動脈の損傷など重篤な合併症を来しうるため、予防が重要である。
- 長崎大学の論文
- 2013-09-25
著者
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岩永 哲
長崎市立市民病院耳鼻咽喉科頭頸部外科
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中嶋 一寿
長崎市立市民病院 小児科 /長崎市立市民病院 麻酔科 /長崎市立市民病院 脳神経外科
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山口 峻
長崎市立市民病院 救急部
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岩永 哲
長崎市立市民病院 耳鼻咽喉科
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