大都市団地居住高齢者の社会関係と生活ニーズ充足のためのソーシャルサポート ─ライフコースとケアリング関係の視点からの分析─
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概要
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本研究の目的は,ライフコースとケアリング関係の視点から,大都市団地居住高齢者の社会関係と生活ニーズ充足のためのソーシャルサポートとの関連を分析し,地域包括ケアの課題を検討することである。東京都A 市B 団地居住高齢者429 名への訪問調査を2011 年5-6 月に実施した(有効N=196 名,有効回答率:46.0%)。主な結果として,1)生活ニーズのある人(全体の1 割弱)の2-4 割に支援者がおらず,有支援者の2 割弱が家事,買い物,ゴミだし,当番の場合に近所の人を担い手としてあげた(複数回答),2)困りごとの相談相手がいない人は2 割弱で,男性の方が女性よりいない割合が高い,3)ロジスティック回帰分析の結果,独居,男性,近隣ネットワークが小さい方が相談者がいない確率が高いことがわかった。独居や男性など既存の社会ネットワークを活用したソーシャルサポートの活用可能性が乏しいグループには適切な支援策が必要であることが示唆された。小規模調査の限界もあるが,団地居住高齢者の多様な社会関係とソーシャルサポートの現状をふまえての地域包括ケアの課題があきらかになった。
- 2012-00-00
著者
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齋藤 曉子
日本学術振興会
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山口 麻衣
ルーテル学院大学准教授
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永田 志津子
北海道教育大学名誉教授
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笹谷 春美
国立保健医療科学院主任研究員
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森川 美絵
明星大学教授
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山井 理恵
札幌国際大学短期大学部教授
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