食品摂取N年後の大腸癌罹患率への影響モデルの構築とその検証
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概要
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日本において食物摂取状況の経年的変化、特に食生活の欧米化が大腸癌リスクに様々な影響を及ぼしている。この研究の目的は食物摂取がどれくらいの期間を経て、最も強く大腸癌罹患に影響してくるかを明らかにすることである。食物摂取量(1965〜2000年)、大腸癌年齢調整罹患率(1975〜2006年)は国のデータベースを利用した。食品摂取N年後の大腸癌罹患率への影響モデルを構築し、選択した8項目の食物摂取量を説明変数とし、目的変数である大腸癌罹患率との間に経過期間(lag time)を6〜16年後まで2年毎に設定して、変数減増法による重回帰分析で解析した。経過期間が14年後の大腸癌罹患率に対する標準偏回帰係数は動物性脂質0.758、魚介類-0.208、乳類0.544、芋類0.217、緑黄色野菜-0.191、果実類-0.273であった。また、実際の大腸癌罹患率と予測値との自由度調整済み決定係数は0.941であった。大腸癌リスクに関与する食物の組み合わせは経過期間によって異なっていた。動物性脂質、乳類、芋類は大腸癌リスクへの正の寄与、魚介類、豆類、緑黄色野菜および果実類は負の寄与が示唆された。肉類については関連性が認められなかった。
- 2013-06-28
著者
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有田 清三郎
同志社大学生命医科学部
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本田 貢
岡山大学病院医療技術部放射線部門
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山下 朗
公立能登総合病院・循環器科
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本田 貢
岡山大学病院・医療技術部放射線部門
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有田 清三郎
同志社大学・生命医科学部生命医科学研究科
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