女子大学生におけるソーシャル・サポートおよび 食に対する知識と適切な食行動のセルフ・コントロール
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概要
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健康的な食生活の実行は,生活習慣に起因する疾病を予防するために重要である.しかし,若年女 性を中心に不適切な痩せ志向など食生活上の問題点が指摘されている.先行研究によれば,食に関す る知識や意識の程度により食行動が左右されること,ソーシャル ・ サポートや自己効力感などの心理 社会的要因が食行動に影響することが指摘されている.本研究では,女子大学生を対象に,食に関す る知識,健康に関連するソーシャル ・ サポートが食行動に関する自己効力感を介して適切な食行動の 実行に及ぼす影響を検討した.分析対象者は,栄養学関連の学科と他学科の両方から募集され,1週 間間隔での2回の調査に不備なく回答した132名の女子大学生であった(栄養学関連学科82名,他学 科50名).回答者はまず,食品・栄養にかかわる知識,健康関連のソーシャル・サポート,適切な食 行動に関する自己効力感,および過去1週間での適切な食行動の実行に関する尺度に回答した.1週 間後,彼らは再度,過去1週間での適切な食行動の尺度に回答した.調査は2回とも無記名であり, データは卒業した小中学校の頭文字や誕生月日等からなる識別用コードによりマッチングした.分析 の結果,栄養学関連学科の学生は,食品・栄養に関する知識,食行動に関する自己効力感,適切な食 行動の実行において,他学科の学生より有意に高得点であった.健康関連のソーシャル・サポートに ついては学科間の有意差はみられなかった.適切な食行動の自己効力感やその実行における所属学科 間の違いは,食品・栄養に関する知識の得点を統制しても認められた.パス解析の結果,ソーシャル・ サポートは食生活の自己効力感を高めることで適切な食行動の実行に寄与していた.加えて,ソーシャ ル・サポートから食行動に対する直接の影響も認められた.食に関する正しい知識および関心の強さ と,周囲のサポートが適切な食行動の実行に寄与すると考えられる.
- 2013-00-00
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