秋田・天王海岸におけるクロマツ林の生育区分(<特集>東北地方の海岸林の現状と保全)
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概要
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秋田・天王地区の海岸防災林は,延長約12km,最大幅1,500mのクロマツ林帯を形成しており,前線部では主として保安機能,内陸部では保健休養としての機能が求められている。本報告では,こうした機能別林分配置の基礎資料とするため,クロマツ林の成長を樹高成長状態で区分するとともに,潮風害の影響範囲を検討した。この結果,地形によって差があるものの,普通生育地帯は汀線から250m以上の内陸側,低生育地帯150〜250m,極めて低生育地帯は50〜150mと大区分され,特に前線部20mは犠牲林と位置付けられた。また,潮風害の影響範囲は概ね砂丘頂部までで,クロマツの成長に影響を及ぼす区域は生育区分における「極めて低生育地帯(汀線から50〜150m)」とほぼ一致し,保安機能の維持・強化が必要な地帯と考えられた。
- 東北森林科学会の論文
- 2000-10-31