依存と問題行動 -スクールカウンセリングや調査から見えてくる子育ての阻害要因-
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
筆者は2000年から「依存と問題行動」の研究に取り組んでいる。このテーマで研究に取り組んだ動機は、1998年から始めたスクールカウンセリングにおいて、様々な問題行動を引き起こす生徒たち(不登校等の不適応も含む)ほとんどの対人関係が、母親あるいは特定の友達との二者関係が基本(三人以上の関係がつくれない)であり、その相手に対して非常に依存的であったからである(ここでの問題行動とは、改善を要する行動で、反社会的な行動のみでなく、不登校などの不適応や、向社会的行動であっても、そのことに過度に依存し、人間関係等に悪循環をもたらすような行動なども含める)。これまでの研究では、スクールカウンセリングにおいて確認された気になる事象について、質問紙調査等で確認するといった方法をとってきた。これらの研究の中で、問題行動を引き起こす児童生徒や保護者に、ある程度共通のパターンを確認することができた。この共通するパターンは、生後かなり早い段階から生じており、乳幼児期における子育てのあり方とともに、子どもの発達にどのような悪影響を及ぼしているかを検討することが必要である。
- 尚絅大学の論文
- 2010-00-00