非侵襲自律神経疾患計測のための外乱に強い電子瞳孔計の開発(画像計測,<特集>医用画像論文)

概要

論文の詳細を見る
自律神経の働きを評価することにより,うつ病やアルツハイマー病らの病勢定量の可能性が示唆されている.自律神経機能を定量的に評価する手法として瞳孔反応検査法は,高い精度と信頼のおける被侵襲な手法として臨床応用されている.しかし,現在この検査で用いる瞳孔計は,瞳孔部の抽出を手動しきい値処理のみにより行っているため,測定中の患者の瞬きなどの要因により,瞳孔面積の正確な推移の計測が困難になる場合がある.そこで本研究では,赤外線カメラらから構成される瞳孔撮影デバイス及び瞳孔部の面積計測アルゴリズムを開発した.この手法はまばたきなどの影響により瞳孔の輪郭が欠損する場合に備え,瞳孔の輪郭候補点の推定を基とした楕円推定による補完処理を行うことにより,外乱にロバストな瞳孔面積計測を可能とするものである.開発した瞳孔撮影デバイスにより撮影された動画35編,総フレーム数9,714枚を用いた瞳孔抽出性能の評価の結果,平均抽出精度96.9%,再現率96.8%を実現し,瞳孔の一部がまぶたに覆われている状態においても平均抽出精度95.2%,再現度95.1%を実現した.また,臨床で用いられている瞳孔反射パラメータの推定実験においても平均誤差率1.6〜4.8%と良好な結果が得られた.
2013-04-01

非侵襲自律神経疾患計測のための外乱に強い電子瞳孔計の開発(画像計測,<特集>医用画像論文)

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク