引用を導入した学級における「聴くこと・発言形成」に関わる方略の習得 : 中学年の授業過程の事例的検討を通して
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概要
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本研究の目的は,「引用」を導入した学級(3年生から4年生)において,どのような「聴くこと・発言形成」に関わる方略が習得されるのか,さらに,その方略の習得の結果,どのような話し合い行為が出現するのか,を明らかにすることであった.そのために,中学年の国語科授業場面における授業過程の学年間比較を事例的に行った.その結果,以下のことが示された.1)他者の発話を即興的に取り入れ,それを根拠や論点とする児童が増えた.2)他者の考えの背後にある「論理」に意識を向けて聴き,発言を形成するようになった.3)その際に,説明要求することで,相手からの説明を引き出そうとしていた.4)他者の解釈を取り込み,新しい解釈を生み出そうとしていた.このような方略の習得の結果,他者の論理を探索的に吟味するやりとりが出現した.
- 2013-02-20
著者
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