混合音中で複数回出現する新規音の検出に選択的注意は必要か?(一般,音声知覚生成/聴覚コミュニケーション,一般)
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概要
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混合音中で同じ音が繰り返し現れるならば,聴覚系はその音の時間・周波数パターンを認識し,ひとつの音として検出可能であることが知られている.本研究ではこの「繰り返し」手がかりに基づく音の分離・検出が,音に対する選択的な注意を向けない場合にも可能であるかを調べるため,難易度の高い視覚課題と聴覚課題との二重課題を設定し,実験参加者が視覚課題に集中した際の聴覚課題の成績を測定した.実験の結果,混合音が再生されている最中に難易度の高い視覚課題を行っていたとしても,実験参加者はチャンスレベル以上の精度で対象の音を検出できることが分かった.この結果は「繰り返し」手がかりに基づく音の検出には,認知・判断に関係する処理系以前の,自動性の強い処理段階が関与する可能性を示唆する.
- 2012-06-07
著者
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柏野 牧夫
NTTコミュニケーション科学基礎研究所
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柏野 牧夫
東京工業大学:nttコミュニケーション科学基礎研究所:jst Erato下條潜在脳機能プロジェクト
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益冨 恵子
東京工業大学
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柏野 牧夫
NTTコミュニケーション科学基礎研究所人間情報研究部:東京工業大学総合理工学研究科
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BARASCUD Nicolas
UCL Ear Institute
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OVERATH Tobias
UCL Ear Institute
-
MCDERMOTT Josh
Center for Neural Science, New York University
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CHAIT Maria
UCL Ear Institute
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益冨 恵子
東京工業大学総合理工学研究科
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