伝統的モンゴル文字の電子化利用の現状と課題
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概要
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伝統的モンゴル文字は、中国の内モンゴルを中心に居住する 500 万人以上のモンゴル族が現在使用している伝統的な縦書きの文字です。電子化利用と言った場合、モンゴル族にとっての利用と研究者にとっての利用がありますが、両方取り上げたうえで、私 (研究者) にとっての利用を中心にしたいと考えています。Windows では、2007 年に発売されたVista 以降、Unicode に対応した入力言語 「モンゴル語 (伝統的なモンゴル文字、中国)」 と、それに対応したフォント (Mongolian Baiti) が入力言語のひとつとして標準でバインドされるようになりました。これは、その後の Windows7 にもそのまま引き継がれていますが、広く普及するには至っていません。中国で伝統的モンゴル文字の国家標準 (Unicode 規格) が最終的に発布されたのは、2011 年になってからのことでした。こうした事情により、中国国内および世界における伝統的モンゴル文字の Unicode 対応は、緒に就いたばかりと言わざるを得ませんが、これからはパソコン、携帯、インターネットにおける伝統的なモンゴル文字の使用は飛躍的に拡大していくことが予想されます。ところで、伝統的なモンゴル文字が Unicode に対応した利用に向けて動き始めた、ということは、データの共有の観点から重要な要件となりますが、それですべての問題がが解消するわけではありません。講演では、伝統的モンゴル文字独自の特徴から生じるデータ共有の問題を具体的に考えながら、解決策を探りたいと思います。
- 2013-07-19
著者
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