原子力事故・災害への対応とリスクコミュニケーション:リスク管理と事故対応
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概要
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原子炉において重大な事故が起きた場合,広範囲に放射性物質が放出され,汚染地域では有害な健康影響が長期にわたって持続する大規模災害を来し得る.また,放射線は不可視であり他の有害物質とは異なる不安を生じ得る.従って,原子力災害ならびに放射線の健康リスクへの不安を払拭するためには,原子力施設・放射性物質の厳格な安全管理に加えて,こうしたリスクを可視化して提示し,人々がリスク管理に信頼を置くことができるよう努めることが重要とされてきた.本稿は,原子力施設の安全管理,また事故対応に関わる国際社会と日本の基本的な法令・規則,組織,文献および情報源を記載して概説する.また,原子力災害についてのリスクコミュニケーションの原則と課題を述べる.これらは,事故発生時のみでなく平時・事故発生前の安全管理・コミュニケーションを考える上でも重要な事項である.さらに,2011年3月11日に発生した東北地方太平洋地震に続く福島第一・第二原子力発電所の事故とその対応に関する概略と,今後評価すべき課題を提示する.
- 2011-08-00
著者
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