歯科口腔保健法の制定と背景
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概要
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1. 歯科口腔保健法制定の経緯平成23年8月に成立した歯科口腔保健の推進に関する法律については,日本国政府並びに国政のレベルで,昭和28年以降,何度か法制度化の試みがなされてきたが,法制定には容易にいたらなかった.平成20年以降,一部の都道府県で歯科保健に関する条例を制定するところが相次ぎ,23年10月までに20の都道府県で歯科保健に関する条例が制定された.また歯科関係者の間でも健康増進法とは別に歯科独自の法整備を行うべきとの意向が強い状況が続き,結果的に,今回の法律制定に至った.なお,この法律は,どちらかというと基本法としての性格が強い.2. 法律の概要とその後の動き歯科口腔保健の推進に関する法律の目的は,国民の保健の向上のため,歯科疾患の予防等による口腔の健康の保持に関する施策を総合的に進めていくことであり,推進施策の基本的な考え方は以下のとおり.(1)国民が生涯にわたって日常生活で歯科疾患予防の取り組みを行うとともに歯科疾患の早期発見,早期治療の受診を促進すること(2)それぞれの年代における口腔とその機能の状態と歯科疾患の特性に応じた適切かつ効果的な歯・口腔の健康保持を進めること(3) 関連施策(保健,医療,社会福祉,労働衛生,教育その他)との有機的連携と関係者協力による総合的な施策推進なお,この法律では,厚生労働大臣が歯科口腔保健に関する施策を総合的に実施するための方針,目標,計画などについての基本的事項を定めることとなっており,今後,健康増進法や地域保健法などで定められている基本方針や健康増進計画や医療計画などとの調和を保ちながら,基本的事項の策定を行うことになると考えられる.
- 2011-10-00
著者
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