相模湾大島東水道の中深層における水温・流速変動の特性
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概要
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大島東水道における流速変動の特性を調べるため,2007年5月22日から9月11日に布良沖の相模トラフ東斜面と大陸棚上で係留観測を実施した。両地点では3.7日周期を中心とした数日周期帯の流速変動が卓越しており,相模トラフの703m〜1020m深の3.7日周期の流速変動は布良の潮位変動とほぼ同位相であった。銚子から御前崎までの潮位記録から,数日周期帯(2日〜11日)の潮位変動は,神津島では殆ど見られないが大島や沿岸の潮位では見られ,銚子から伊東まで岸に沿って1.5〜2.2m s^<-1>の速さで伝播していた。さらに,数日周期の流速変動は,大島および銚子の風と高いコヒーレンスを示したことから,風により励起された沿岸捕捉波であることが示された。大島東水道での沿岸捕捉波の断面構造を調べるため,Brink and Chapman (1987)に倣って沿岸捕捉波のモードを求めた結果,観測された流速変動は主に沿岸捕捉波の第2モードで説明できることが分かった。一方,8月中旬から下旬に,703m深で15cm s^<-1>に達する流出と流入が続いて生じるイベントが発生しており,8月下旬には相模湾内250〜550mの深度帯に親潮系低塩分水が観測された。このイベント的流速変動の発生要因として,冷水渦の西進に伴う黒潮流軸の離岸が考えられた。
- 2013-01-15
著者
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