分離型里帰り分娩を選択した夫婦のビデオ会話利用の効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
里帰り分娩は日本の出産にかかわる伝統で,現在でも出産の15±5%の夫婦に選択されている。その功罪は多々あるが,とくに妊娠期から夫婦が別々に暮らす分離型里帰り分娩における懸念は,出産前後の父親の不在による父子愛着と夫婦関係への影響である。この研究では,分離型里帰り分娩中の夫婦の父子愛着形成と夫婦関係へのビデオ会話利用の効果について検討した。研究手法は, Mixed Methodsを用いた事例研究で,ビデオ会話日記を用いた質的データを主に分析した。結果は, 4組の分離型里帰り分娩を行う初産の夫婦が,明確な違いがみられた夫婦関係に関する質的分析より2グループ(相関または非相関)に分類された。父子愛着は, 2グループ間に妊娠期では違いがみられたものの,産後では類似していた。また,夫婦関係では,妊娠期と産後に違いがみられた。ビデオ会話の経験では,肯定・否定の意見やビデオ会話の頻度などは類似しているが,夫婦の会話の満足度では違いがみられた。ビデオ会話は仮想共同空間であるが,視覚情報を加えた会話の質の向上によって,里帰り分娩中の父親(夫)または家族へのサポート手段の1つになりうる可能性を示唆した。
- 2013-01-00
著者
関連論文
- 304 新潟県の妊婦教育における両親学級と母親学級の実態と課題(第1報)(母子保健、訪問指導3)(第45回日本母性衛生学会総会学術集会)
- 両親学級の実態からみた妊婦教育の課題
- 新潟県の妊婦教育における両親学級と母親学級の実態と課題(第一報)
- P1-144 里帰り分娩中に別々に暮らす夫婦のサポート手段としてのビデオ会話の効果の検討(母性・父性IV,ポスターセッション,第52回日本母性衛生学会総会)
- 分離型里帰り分娩を選択した夫婦のビデオ会話利用の効果
- O1-047 産褥3日の1回直接母乳量による母乳栄養確立の指標の検討(母乳・乳房1,一般口演)