ラジオ波焼灼術後難治性瘻孔を形成した一手術例
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概要
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症例は79歳男性。前医にて腹部造影CTで肝S4に2cm大の肝細胞癌を認め、ラジオ波焼灼術(以下RFAと略記)を施行された。RFA後第10病日に仮性動脈瘤出血に伴う肝右葉の巨大血腫を形成し、緊急で右肝動脈塞栓術を行った。その後、肝膿瘍及び腹腔内膿瘍を発症し、瘻孔造影で胃、横行結腸への瘻孔を認め、頻回の膿瘍ドレナージを施行したが改善がなかった。保存的治療は困難と判断し,当院へ転院の上,第134病日に腸瘻を含めた拡大肝右葉切除術+胆管切除・再建+胃部分切除術+横行結腸部分切除術を施行した。術後の経過は良好で術後17日目に転院となった。RFAでは肝膿瘍など重篤な合併症がおこる可能性がある。保存的治療に限界がある場合は外科的治療も念頭に考える必要がある。
- 2013-03-25