臨床的および前臨床的Paget病変を伴った乳管癌の2例
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概要
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症例1は62歳、女性.左乳輪部紅斑で受診.腫瘤は触知せず.画像検査では小結節像が散見された.乳輪部生検でPaget細胞を認め、乳房切除・腋窩郭清を行った.Paget病変と連続し、広範な進展を示した非浸潤性乳管癌・低乳頭型であった.症例2は76歳、女性.左乳房の腫瘤で受診.乳頭・乳輪部に異常を認めず.画像検査で左C領域に15mm大とその外側に10mm大の腫瘤を認めたが、乳頭部に著変なく、乳管内進展の所見も認めなかった.細胞診は悪性で、乳房切除・腋窩郭清を行った.この 2個の腫瘤は浸潤性乳管癌であったが、乳頭表皮内にPaget細胞が組織学的(前臨床的)に明らかとなった.浸潤性乳管癌とPaget病変に連続性は認めず.免疫組織学的検討では2症例のPaget細胞とも乳管上皮と同様の染色パターンを示し、病因論的にepidermotrophic theoryを支持する結果であった.Paget病変の進展度診断は困難なことも多く、術式決定には乳管内進展を考慮する必要があると思われた.
- 2013-03-25
著者
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