アルジェリア/フランス-『アルジェの女たち』をめぐる絵画と文学の対話(II)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ウジェーヌ・ドラクロワ『アルジェの女たち』(1834)は、オリエントのハーレムの女性を画材にしたオダリスク絵画の代表的名画であり、以降のオリエンタリズム絵画、裸婦像に多大な影響を及ぼした。しかし、1830 年のフランスのアルジェ占領があってこそ、画家はハーレム内部に入ることができ、ゆえにこの絵を描くことができた。フランスのアルジェリアに対する植民地支配の産物とも言える。また名画として鑑賞されてきたこの絵を、フランス語表現の女性作家はどのような視点で見て、どのように自己の作品に反映させ、自らのアイデンティティを構築していくか。この論考はその後半部で、アルジェリアとフランス両方にルーツをもつフランス人作家、レイラ・セバールのシェラザード三部作を検討し、80 年代に顕在化する北アフリカ系フランス人の若者の自己構築の諸相を、この名画と関連づけて考察する。
- 2012-00-00
著者
関連論文
- 出奔するマグレブ系「移民第二世代」の娘たちの物語とテリトリー : レイラ・セバールの八十年代の小説を中心に
- アルジェリア/フランス-『 アルジェの女たち』をめぐる絵画と文学の対話(1)
- ブルゴーニュ大学、ボルドー大学における調査報告および国際交流にむけての提言
- アラゴンを読むベンヤミン : 『パリの農夫』から『パサージュ論』へ
- アルジェリア/フランス-『アルジェの女たち』をめぐる絵画と文学の対話(II)