新設学部における看護教員の教育ニードの現状と課題
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概要
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高度化する医療への対応や高齢化社会対策に並行するかたちで、全国の看護系大学の数は増加し続けている。1975年には10校であったものが2010年3月現在181校となっている。このような大学数の短期間における大幅な増加は、「教員の急造・急増」「教員の流出・転入」ひいては教育力の停滞という課題を引き起こしている。 そこで、効果的なFDを展開するためには、まずその機関の所属教員が、教育に携わる看護専門職として望ましい状態に近づくための教育の必要性、すなわち教育ニードを把握する必要があると考え、1. 本学部における教育ニードを明らかにし、効果的なFD展開のための基礎的な資料とすること、2. 教育ニードは、教育経験年数や個人の持つ自己効力感、ストレス対処能力とも関連が考えられるためこれらのスケールとの関連性を明らかにすることを目的とした。 その結果、教育経験年数が短いほど教育に携わる看護専門職者として望ましい状態と現実との乖離が大きいことが明らかとなった。本学部は新設学部であり、今後看護専門職としての望ましい状態と現状のこの乖離を少しでも小さくするためには、今回の調査結果をもと学習すべき側面を特定した上でFDを組織や個人が立案し、実施、評価していくことが望ましいと考えられる。また、今後看護教員が生涯を通じてキャリアアップを重ね、モチベーションを維持していくためには、教育の成果や専門性を自己点検・自己評価・他者評価できるようなシステムが必要であると考える。
- 2013-03-31
著者
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