算数的活動に関する一考察
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
教師は時代状況をしっかりと認識していないと,社会の変化に対応できる人材の育成は困難であることを確認したい.平成20年度改訂の学習指導要領,算数科の目標に「算数的活動を通して」という文言が目標のはじめに位置付けられ,目標全体にかかっている.算数の授業の中核となる算数的活動とは,児童が目的意識をもって主体的に取り組む算数にかかわりのある様々な活動である.中核に位置づけられた経緯を,学習指導要領の各改訂の中に見ることが出きる.「算数にかかわりのある様々な活動」は,経験主義の学習,系統学習,数学の現代化,合科,総合的学習,発展的な学習などの実践から得られた知見に依っている.また,「主体的に取り組む」取り組み方は,問題解決学習,能力主義,確かな学力,生きる力などの教育理論と実践によって,その輪郭がみえてきている.「目的意識をもって」とは,新しい学力観に立って問題解決的学習活動を行うことにある.また,深まりのある算数的活動とは,同じように見えているところに,違いを見る力と不易を見る力が育つ活動であるとしてよい.文章題は,算数的活動がねらう「習得」から「活用・探究」の学習とするために最適である.生活の算数化であり,日常事象の解釈と根拠を明らかにする力量をつけることができる.
- 2013-03-31