接触場面における在日ブラジル人の「聞き返し」とその回避方略
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概要
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生活の中で日本語を習得している在日ブラジル人8名の6回にわたるインタビュー(計48回)を資料として,日本語自然習得者が聴解問題を処理するために使用している「聞き返し」とその回避方略を分析した.その結果,(1)「聞き返し」表現の選択にははっきりした個人差がある,(2)日本語習得の初期には「ん?」「分からない」など「非確認型」(確認要求とは解釈できない「聞き返し」)の比率が相対的に高いが,レベルが高くなると「確認型」の比率が高くなる,(3)初期段階で多用される「分からない」という「聞き返し」表現はやがて回避されるようになる,(4)「聞き返し」回避の方略を多用する者がいる,などの点が明らかになった.本研究は調査のためのインタビューを資料としているが,実際場面の会話を資料として言語少数派が接触場面で感じる情意的,社会心理的な問題を解明する研究が必要であることを指摘した.
- 社会言語科学会の論文
- 2001-09-30
著者
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