バッテリレス・システム実現に向けた不揮発主記憶システムの検討(ユビキタスデバイス,フレッシュマン・セッション,ユビキタス・センサネットワーク,ユビキタス・システム,アドホックネットワーク)

概要

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本稿では,2次電池を用いることなく,不安定な電源下でもユーザにストレスを与えずに動作する計算機システムを目指し,システムが不意の電源切断に面した状況においても,電源切断時の状態を高速に保存/復帰するシステムの実現に対する取組について述べる.本研究は低オーバヘッド化のため,主記憶がFeRAMやMRAMといった高速な不揮発メモリで構成されることを前提とし,システムを構成するCPU,主記憶,周辺デバイスについて一貫性を維持する状態の保存/復元を行うアプローチをとる.まず,分散システム(メッセージ・パッシングシステム)のアナロジーから導かれる一貫性維持のための要求事項について述べる.そして,オペレーティングシステムおよびデバイスドライバの改変によって要求事項を実現する手法について述べる.ソフトウェアによる手法を実用的なアプリケーション動作で評価した結果では,UARTおよびEthernetを用いた場合におけるオーバヘッドは多くともそれぞれ約0.2%,1.5%程度であり,十分に低オーバヘッドでの実行状態の保存が実現できた.また,更なる低オーバヘッド化のため,現在取組中であるハードウェアによるサポート手法について述べる.
2012-05-10