時間の概念から導き出した認知症高齢者グループホーム利用者における時間についての考察
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概要
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認知症高齢者のグループホーム(以下,GH)に暮らす利用者の,日々過ごす日中の日常生活を観察した.そこでは,時間の流れが緩やかに過ぎ去る状況であったので,GHにおける時間の意味について考察することとし,本稿の目的とした.時間についての一般的な概念である哲学的,宗教的立場から考察を開始し,GHにおける利用者の時間の過ごし方について考察した.その結果,介護を行うにあたって基本的な視点として,待つことの重要性を取り入れることができた.さらに,介護者は利用者一人ひとりに対して,彼らの時間をデザインするように支援すべきである.そして,GHでの時間の意義を高めるためには,まとまった時間を自由時間へと変換する装置が必要であった.よりよい介護の方法を見いだすためには,利用者の時間の過ごし方に対する理念とともに,介護者と利用者が,時間の過ごし方を検討する必要性が考えられた.
- 日本介護福祉学会の論文
- 2008-10-01
著者
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