介護職の業務確立と専門的特徴 : A園の介護業務に関する参与観察を通して
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概要
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本研究は,介護職の業務確立過程を明らかにすることを目的とし,その過程における介護職の利用者に対する「感情」の位置づけに着目する.調査は,X県の介護老人福祉施設A園を事例に参与観察を行い,『事業報告書』,フィールドノート,インタビューのスクリプト等のデータを分析した.その結果,(1)施設方針等の職場環境の変化が業務内容の変遷に大きな影響を与えていること,(2)業務確立過程において単純業務を分離しつつも完全に切り離していないこと,(3)介護職がおもに単純業務のなかで利用者に対して抱く「感情」を専門的業務のなかにも位置づけようとしたことの3つの特徴が,A園の介護職の業務確立過程にみられた.A園の介護職の業務確立過程は,従来の専門職とは異なるかたちで展開している.これは介護職が新たな特徴をもつ専門職として確立する可能性を示唆しているが,それは今後の研究課題としたい.
- 日本介護福祉学会の論文
- 2006-10-01
著者
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