介護技術としての援助的コミュニケーションと「間主観性」
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概要
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知的障害者や音声機能に障害をもつ重度の身体障害者は,自己の意思伝達や願望の開示に障害ゆえの制限が付随するために,ここには介護者の援助的役割と高度なコミュニケーション技術が要求される.それは障害者の自己実現の問題にもかかわるため,こうした福祉的視点から,介護福祉士がその養成課程においてコミュニケーションを専門職の技術として習得することが期待される.本稿では,介護技術としての援助的コミュニケーションを,(1)被介護者の発信能力を向上させる援助,(2)コミュニケーションの場の設定,(3)援助者のコミュニケーション能力の向上=受信能力と応答力の向上の3つの側面からとらえ,「間主観性」の概念を用いて援助者の役割と技法を考察する.現在の介護福祉士養成課程(「介護概論」や「介護技術」の科目)において,こうした視点からのコミュニケーション技術の位置づけと確立が早急に望まれる.
- 日本介護福祉学会の論文
- 1999-10-01
著者
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