心エコー図組織ドプラ法を用いた超高齢者における左室拡張能の検討
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概要
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左室拡張能は収縮能に先んじて低下し健常人でも加齢とともに低下する。従って,高齢者の心機能評価に不可欠であると恵われるが90歳以上の超高齢者の左室拡張能に関する報告はいまだ少ない。近年提唱された心エコー図組織ドプラ法を用いて計測した左室拡張能の指標は簡便で精度も高いとされている。そこで90歳以上の超高齢者の左室拡張能をこの方法を用いて評価しこれまでの報告と比較した。外来で心エコー図検査を施行した90歳以上で明らかな疾患を持たないもの16例を対象とし,パルスドプラ法を用いて僧帽弁口急速流入期血流速度(E)を,組織ドプラ法を用いて僧帽弁輪運動速度波形拡張早期波(E')を計測しE/E'を算出し,Tigheらの報告と比較して加齢による変化を検討した。E'は8.0±2.0cm/sec, E/E'は8.9±3.3となりTigheらの報告した加齢による変化の延長と考えられる数値だった。さらに高血圧歴の有る者17例と今回対象とした高血圧歴の無い者16例のE'を比較すると,高血圧歴の有る者の方が有意に低下しており,高血圧が加齢による拡張能の低下を加速させたと考えられた。
- 2008-07-31
著者
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