びまん性肺胞出血11例の検討
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概要
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背景.びまん性肺胞出血(diffuse alveolar hemorrhage : DAH)は重篤な症候群であり,診断・治療に苦慮することが多い.目的. DAH症例を後方視的に検討し,臨床像を明らかにする.方法. 2006年4月から2011年4月までに京都医療センターに入院し,気管支肺胞洗浄(BAL)およびその他の臨床所見から診断されたDAH 11例について検討した.結果.患者は男性7例,女性4例であり平均年齢は69.5歳(37〜85歳)であった. 4例(36%)では血痰を認めなかった. 8例で呼吸不全を認め,うち7例で人工呼吸管理を要していた.原因疾患は顕微鏡的多発血管炎が5例, SLEが1例,再生不良性貧血が1例,原因不明が4例であった.胸部CTでは複数肺葉にまたがる濃度上昇を全例で認めた.肺生検は重篤な呼吸不全と出血のリスクのために行えていなかった.ステロイドは全例に投与されており, 9例ではステロイド大量投与が行われていた. 9例は生存, 2例が死亡していた(死亡率18%).結論. DAHの原因は多様であるが,今回の検討では顕微鏡的多発血管炎が最も多かった.血痰を認めないこともありBALが診断に有用であった. DAHは,血管炎や膠原病などステロイドに反応する疾患が原因となることが多いため,重篤な呼吸不全を呈していても積極的にBALを施行してDAHの可能性を探ることには大きな意義があると考えられる.
- 2012-11-25
著者
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田中 博之
国立病院機構京都医療センター
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葉山 学
国立病院機構京都医療センター
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北村 知嵩
国立病院機構京都医療センター
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北村 知嵩
京都医療センター呼吸器内科
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葉山 学
京都医療センター呼吸器内科
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田中 博之
京都医療センター呼吸器内科
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岡村 美里
京都医療センター呼吸器内科
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金井 修
京都医療センター呼吸器内科
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陣内 牧子
名古屋セントラル病院呼吸器内科
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三尾 直士
京都医療センター呼吸器内科
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陣内 牧子
名古屋セントラル病院
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田中 博之
京都医療センター救命救急
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