ボーングローバル企業経営の特徴に関する一考察(自由論題)
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概要
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ボーングローバル企業(BGC)とは「生まれながらのグローバル企業」という意味である。BGCは創業時から2,3年以内に海外事業活動を開始するベンチャービジネスもしくは中小企業である。近年、グローバル市場では伝統的な大規模多国籍企業に伍してこのBGCが多く出現している。本報告では、通常経営資源が希少で事業経験も浅いBGCが何故かくも急速な早期国際化を行えるのか、さらにBGCがグローバル市場で大規模多国籍企業に伍して競争し成功できるのはどのような持続的競争優位性を有しているためなのかを中心に考察する。前者については、企業は独占的所有権のある知識集約的な製品を所有していればいるほど、また強力なグローバル志向産業に属していればいるほど、また小さな国内市場しか持たない国で創業すればするほど、早期に多数の海外市場をターゲットにする傾向があることが示唆される。また後者については資源ベース論やメタナショナル経営論にこの課題を解明する手がかりがあると考える。さらに、そのようなことが現実だとすれば、従来の伝統的な国際経営論ではBGCの早期国際化や持続的競争優位性の源泉は説明できないので、新しいそれに代替する国際経営理論が必要ではないかと報告者は考察する。現に欧米の何人かの研究者は伝統的な国際化の段階モデルやその他の伝統的な国際経営の理論に挑戦的である。
- 2012-11-03