李迪筆『雪中帰牧図』 動く映像の絵画
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概要
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南宋の李迪筆『雪中帰牧図』騎牛幅(大和文華館)は、動く牛の映像を目の当たりにするような絵画である。本稿は、この作品の動的効果の要因を以下のプロセスで分析し、その仕組みを明らかにすることが目的である。1.構図感覚の異なる『雪中帰牧図』の両幅を比較対象として俎上に載せるため、册頁画としての本来の構図を十牛図との関係から想定する。2.北宋の小景画・花鳥画の構図を分析し、『雪中帰牧図』の動的構図の成り立ちと特性を探る。3.『雪中帰牧図』の景物の位置関係や描写から両幅の運動表現のニュアンスの違いを読み解く。
- 2012-11-30
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