7価肺炎球菌結合型ワクチン接種後に血清型6Bによる肺炎球菌性髄膜炎に罹患した一例
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概要
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症例は10か月男児. 7価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV7)を2回接種後に肺炎球菌血清型6Bによる髄膜炎を発症した. 内科的治療で髄膜炎は軽快したが, 後遺症として両側高度難聴をきたし, 両側人工内耳手術を施行され現在もリハビリを継続している. 本例は乳児期早期の接種漏れのため生後7か月と8か月にPCV7を接種していたが, 髄膜炎急性期における血清中肺炎球菌血清型6B抗体価は他のワクチン含有株に対する抗体価と比べて低く, 回復期にはさらに低値となった. 本例のようにワクチン接種後にも関わらず, 髄膜炎や敗血症などの重症感染症を呈するvaccine breakthrough infection症例は特に血清型6Bの肺炎球菌で散見されており, 乳児期早期からのワクチン接種の必要性を示唆している.
- 2012-12-25