川崎病に伴う急性胆嚢水腫に対し経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)を施行した1例
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概要
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川崎病において胆道系の合併症は少なくないが、胆嚢水腫を来たす症例は稀である。 症例は8歳女児。発熱、頸部リンパ節腫脹、発疹、下痢で発症。5病日に川崎病診断基準を満たし、アスピリン、IVIGで治療を開始、CTRXも併用した。8病日に強い腹痛があり、腹部CTで胆嚢の著明な拡張を認め、急性胆嚢水腫と診断した。経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)を施行し約210mlの内容液を吸引した。内容液の外観は透明で、やや粘調だが胆泥はなく、細菌培養検査では菌陰性であった。CTRXをSBT/CPZに変更、IVIGの追加投与を行い、12病日に解熱した。同日のPTGBD瘻孔造影では、胆嚢管以下が描出されなかった。18病日のMRCPでは総胆管は描出され、PTGBD瘻孔造影で胆嚢管から総胆管への排出を確認、PTGBDカテーテルを抜去した。 本例では胆嚢管の一過性閉塞があり、管理にはPTGBDが極めて有用であった。川崎病における胆嚢水腫でも、原疾患に対する治療に反応しない場合は、時期を失することなく減圧術を施行する必要がある。
- 2012-09-25